水中清掃を1年してきて見えてきたもの(8/11追記)

DUOメタルガレージ_新作と海でご対面。嬉しさと微妙な気持ち。

三保の海中を継続的に美化する仕組みを常に考えていますが、中々考えがまとまりません。
毎週の潜水で1時間程度は清掃ダイブをしても残念ながら現状維持以下の美化に過ぎない。
余暇の貴重な趣味の時間を費やす価値がある行為だとは思うので、この1年くらい全力で水中清掃をしてきた。結果、部屋には小さな中古ルアーが4桁は転がっているカオスな状況である。

1年間水中清掃をしてきて体感したのは、自分が毎日清掃ダイブをすれば現状維持以上の海中美化ができるのかもしれないなぁーという漠然としたイメージ。しかし、その行為だけで飯は食えない。活動費用と生活費はどこから捻出すれば良いだろうか。また、かなりの危険が伴う活動でもあるわけでボランティア精神だけではきつい思いもある。水中で糸マキマキしながら、私は何をしているんだと我に返るときが増えてきた。
水中清掃費用はどこからが適切だろう?
税金?残念ながら、おそらく期待はできないだろう。コロナウィルス対策でそんなことに払える余力はないのが実情だろう。
釣り人のポケットマネー?これも難しい。釣りとダイビングを楽しみ、水中の清掃活動を実際行う私ですら本音を言えば目に見えない水面下の事情にお金を払うのは負担の大きな話だと感じる。そもそも今の不景気で、家計において趣味に使えるお金が削られていく一方で消費者へのさらなる金銭負担は無理があるだろう。
釣具メーカー?釣具店?どちらも資源保護には積極的な姿勢もあり大いに可能性はあると思えるが、そもそも釣り場の水中環境を定点観測している当事者以外には、水中でのごみ問題はイメージしにくい。

まずは、問題を適切に評価できるだけの情報を整理して、誰しもが分かる状態にしなければこうした活動が継続的なものとして受け入れられることはないように感じる。
ダイバーも海で遊びその恩恵を受けていることは間違いない。海中を美化する活動の答えの模索は、海から恩恵を受けている全てのステークホルダーが手を取りあうことにもつながる気もする。

なんにせよ、私はあと30年は三保に潜るつもりだし、自分の遊び場を綺麗にするのに理由は要らないはず。
必要なのはお金と時間であり、それを一時的に獲得する方法ならいくつか思いつく。
しかしながら、釣りという文化が続く限りは、それを上回るだけの水中清掃の仕組みも必要なはずであり、それは継続性の高い仕組みでなければ意味がない。

1年間の個人的な活動を通して見えてきたいくつかの仮説をもとに、この夏できることから始めてみようと思う。それが上手く行って全国のフィッシングエリア、釣り場でも水中清掃による美化>人々の営みによる環境汚染の可能性の1例となれたら、それだけでも価値はあると感じる。

今ある三保での自由(無法とは違う何か)で素晴らしいマリンレジャースポットをいかに維持して、美しい自然を次世代に繋げていくのか、これを今後も常に考えていきたい。後30年は僕自身が三保で遊ぶために。

ネット上で今まで一切このようなことは書いてこなかったが、一度自分の考えの整理として記しておきたかった。ある意味水面下での活動を水面下で行ってきたが、今後は誰もが考えるきっかけが作れるように情報をオープンにしていこうと思います。私以外の誰かが解決策を見いだしてくれるかもしれないのだから。

以下8/11追記

そしてこの記事を書いた直後、各方面から大瀬崎での釣り禁止の悲鳴が。去年パラレルワークのうちの1つで大瀬崎で働いていた身としては、ついにこの時が来てしまったか、という感じですね。
三保の海も他人事ではありません。そうさせないためにも、いきなり水中汚れるから釣り禁止というような暴論ではなく、釣り人の支援で成り立つ、そんな水中清掃サイクルを構築してみたいと考えています。

大瀬崎釣り禁止のGoogle検索結果はこちら

釣りばかりを悪者扱いはフェアではないので、同時期の考えさせられる記事も紹介しておきます。

朝日新聞デジタル

 伊豆の海はダイビングシーズンを迎えたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、訪れるダイバーは少ない。人気のダイビ…

釣り人は確かに海中へ一方的な悪影響を及ぼしているのかもしれない。しかしながら、自然からすればダイバーもまた同じなのかもしれません。
仮にそうだとすると、海中美化達成の近道は、ダイバーと釣り人が手を取り合うことだと私は考えます。
もちろん、そのようなNPO法人、団体もありますが課題は山積みのようです。

色々考えを書き殴ってみたけれど、まずは三保の海が多くのマリンレジャーが本当の意味で共存できる海を目指して頑張ってみようと思います。

旧興津宿・新興津地区リーディングプロジェクト⑤

三保海岸地区リーディングプロジェクト⑥ 

清水のリーディングプロジェクトは是非、このあたりの意識も盛り込んで開発がされることを祈ります。

 

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